Last modified: June 2, 2015

小澤徹 (おざわ とおる)

微分方程式を考える −数学は現象をいかに記述しているか−
サイエンス社の月刊誌『数理科学』に連載中の記事

第12回 摂動論的方法に依る半線型発展方程式の解法(2015年5月25日提出,2015年11月号掲載)
非線型クライン・ゴルドン方程式,非線型シュレディンガー方程式,非線型ディラック方程式をはじめとして,古典場の理論に現れる多くの非線型発展方程式は,適当なバナハ空間上で半線型発展方程式の形を取る.今回は,相互作用として現れる方程式の非線型項を,線型偏微分作用素の摂動と見做して,半線型発展方程式の初期値問題を考える.ここでも基礎的概念は完備性である.

12.1 問題の設定
12.2 リプシッツ摂動の場合
12.3 局所リプシッツ摂動の場合
12.4 C_0-半群の生成作用素の定義域に於ける局所リプシッツ摂動の場合
12.5 部分的局所リプシッツ摂動の場合